
Mission about 里山環境保全研究会
現在、伊勢原市日向の里山地域は、各集落の水路清掃と農家さんを中心とした個人的活動を中心に
昔ながらの地域自治活動を継続してきており、その結果里山の景観が守られている。
里山保全研究会としては、子どもたちとともに、環境保全活動に携わることで、日向の美しい環境を
未来に繋いでいく活動をすることを目的としている。
また、継続的な水質調査、生態系調査を子どもたちとともに行うことで、いままで出来ていなかった
客観的データを蓄積し、未来に残していく。
また、そのデータを発表できる形で公にすることで、多くの方に、里地里山環境保全活動を身近に
感じたり関心を持っきっかけとなるよう働きかけていく。
日向地域には、日向川が流れ、日向川は市内の川のなかでも硝酸対窒素やCODの値などが低い値を
示している。
(神奈川県伊勢原市 に お け る 地 下 水 お よ び 河 川 の 長 期 水質
変動 吉羽 雅 昭・小林 雄二 ・三 輪睿 太 郎 ・但 野 利 秋 日本土壌肥料学 雑誌 第 84巻
第 6 号 (2013))
上記論文のなかでは、畜産やそのたい肥を使用した農業による水質汚染の可能性が指摘されていたが、
日向側周辺では、その影響が少ないようであった。
しかし、一方で大雨が降った後では、山土が流れ出し、泥水となった茶色い川を観察される。
山における土壌流失を防ぐ取り組みとして、木々の元気を取り戻していくことは、有効であると考え
られ、既存の木々の周りに点穴を掘る活動や、間伐、植樹などを行っていく。
植樹においては、どんぐりのなる木や伊勢原になじみ深いアラカシやモミなどを植えていく。
そうすることで、農業におけるイノシシ、シカ、サルなどの獣との見えざる活動の境界線を再び作って
いけないか、観察していく。
これらの獣が通った獣道を中心に、山本来の脈を感じることにより、山に吹き抜ける風や雨がどのように流れていくのか、どのように木々が支え合って山の斜面が保たれているのかを知覚する感性を養っていく。
また、山から流れる川を中心にその地域がどのように成り立っているか、地図を用いて学び、川を中心とした繋がりを回復していく。
川では、そこにどのような石があるかを記録し、元石なのか、大水のときに流れてきたものか、どのような流れであり、どう変わろうとしているのかを体感として学んでいき、『流れ』というものについて、『水』について、親しんでいく。
川では、水質調査を行っていき、濁度の定点観測などをはじめ清流を取り戻していく過程を継続的に観察する。
川から、つながっている田んぼでは、環境保全型農法を実践・研究し、生態系調査をはじめ、昔ながらの田んぼの姿を取り戻していく過程を、体感する。
畑でも、無施肥で耕作放棄地の管理を担っていき、獣の農地への侵入を減らしていく取り組みや、食料自給率の向上に寄与する。
また里地里山の景観を繋いでいき、その土地固有の風景を保全することで、その地形にあった風を体感し、定期的な草刈りによって、四季に合わせた様々な花々が咲く農道に整備していくことで市の観光資源の創出も行っていく。
また、クズや蛇イチゴ、桑、アケビ、藤など手間がかかるため使われていない自然のもたらす資源に光を当て、自然物をつかった加工品や道具を作っていき、自然派の方々向けの商品開発を行うことで、失われた地域循環をあらたに生み出していく。
2025年5月
2025年2月
2024年12月
2024年6月
2024年4月
2024年2月
2024年1月
*随時更新
2025年5月10日伊勢原市「環境展」に参加。
2025年2月1日「食料と農業の危機と希望」鈴木宣弘氏の講演会を開催。
生産から消費まで「運命共同体」として地域循環的に農と食を支えるローカル自治圏。
1つの核は学校給食の地域公共調達。農家と住民一体化で耕作放棄地は皆で分担して耕す。
命縮める輸入品は国産より高い。消費者も流通・加工も今すぐ国産に。輸入途絶と消費者の潮流から有機・自然栽培の方向性を視野に。
2024年12月7日環境保全型農法研究成果報告(2023年~2024年度)
伊勢原市中央公民館にて実施。
~日向・藤野地区圃場の実践から~
2023年から2年間にわたり、伊勢原市日向地区で行ってきた実践報告。
・昔ながらの苗代での育苗 ・冬期灌水による生物多様性の可能性 ・手作業による代掻きから学んだこと ・手植えによる田植えの際の工夫 ・田んぼの水平性と初期成育の違い ・株間について ・品種の違い ・手作業から見えた籾摺り機の必要性 など
2024年6月25日新規の若い農業者、特に有機農業を始めたい人にとっての課題は? 農業振興課と意見交換(新規就農の方の参考になるため掲載リンク)
2024年4月29日高速道路植樹帯の視察
伊勢原市内で進んでいる新東名高速道路の建設。便利になる一方、市内の緑地(田畑、森林など)の減少や大気汚染が進むことが危惧されます。エコネットで、高速道路の路側帯などの緑化、特に大気汚染に対して効果がある樹種の植樹を提案し、毎年、中日本㈱の職員の方から説明を受け、現場での確認(視察)を実施しています。
2024年2 月 23 日 講師:印鑰智哉氏(OK シードプロジェクト事務局長)による講演会
親子参加可能ということで保育スタッフ対応。
2024年1月24日「市長室サロントーク」で、市長と面談。
テーマは、農業の振興(特に有機農業)のための現状、課題、今後について。また有機農産物を給食の食材に取り入れる提案等でした。
里山環境保全研究会代表より
挨拶の言葉
地元である伊勢原市にて地域貢献となる活動との連携や、これまで学んできた自然の再生力に関わる知識を生かし、子どものころから見てきた美しい伊勢原の景色や伝統文化をこどもたちへ継承して行けたらと思います。
山や田畑、自然との関わりの中でずっと感じてきたのは、水を綺麗にしたいということと、里山を守ること、子どもたちに安心で安全な食べ物を供給したいという気持ちがありました。
生き物の多様性を維持しつつ、安心で安全な食べ物を持続可能な形で供給して行けるように、伊勢原市のより豊かな循環となるような活動をして行きたいと思っています。
